引抜工程での変色個所と対応製品のご紹介        銅以外(スズ・銀)の防錆剤は、こちら
防 錆 剤 の ご 案 内

 銅および銅合金用防錆剤(防錆剤概論) ■

■防錆剤について

■銅の腐食について
伸線加工で防錆剤を必要とする個所は、各工程の場面で必要であり、例えば、圧延後の変色防止・ロッド伸線後の変色防止・通電焼鈍時の変色防止・中線伸線後の変色防止・ポット焼鈍後の変色防止・細線伸線後の変色防止・被覆工程の変色防止・搬送用の変色防止・最終線の変色防止等、作業全般に渉っています。
これら工程の内から抜粋し、防錆剤の所要特性についてご紹介いたします。

 通電焼鈍時の変色防止剤
変色防止処理としては、通電焼鈍時の冷却水に添加剤として0.2〜1.0%程度添加すること により、焼鈍後の電線表面に保護皮膜を形成し、酸化皮膜生成を防止する役割をします。

カチオン型・アニオン型・非イオン型いずれも適合しますが、異種イオンの混合は効果低減をまねく場合があり注意が必要です。これら変色防止剤は、すべて水に溶解もしくは安定分散し、形成された皮膜は表面処理皮膜として、めっき・接点・塗膜後処理に有効に機能します。

〔製品群〕M-19・M-20・J-9・M-21・500-W・500-WA・500-WD・500-WE・500-WXB・396・RPW-118

 硬銅線用および圧縮撚り線の変色防止剤
伸線後、焼鈍をしない硬銅線は摩擦熱が温存しており特に防錆処理が不可欠であります。この場合は銅材に「あと塗布」することで保管中の変色を予防することが出来ます。変色防止処理方法は導体に防錆剤を湿したフェルト等の中を通過させ、溶剤の除去は熱風乾燥等で行って下さい。
また圧縮撚り線の場合は、圧縮ダイスに直接スプレーか塗布して下さい。 硬銅線用の変色防止剤として使用する場合、通電焼鈍用よりも濃度を高くとります。 特に最終製品となる線材は、このような溶剤溶解タイプが最適です。


〔製品群〕500-OG・500-PX1・RPW-118
500-PX1の防錆試験条件 銅板に比較の為に一般に使用されているベンゾトリアゾールと、弊社製品500-PX1を塗布し、Na2S(硫化ナトリウム)液の100ppmおよび1000ppmの濃度液中に10分間(20℃)浸漬した後の変色した状態を下記に示します。
その他の試験として
@飽和塩化水素中A耐熱温度(250℃/3分)B沸騰蒸気中/3時間に対し、いずれも優れた変色防止効果を示しました。
100ppm(30秒) 100ppm           |          1000ppm 100ppm          |        1000ppm
無処理(ブランク) ベンゾトリアゾール 500-PX1
 架橋ポリマー被覆時の変色防止剤(溶剤タイプ)
高温(200℃)・高腐食環境における変色防止には、厚い保護膜が必要であり、一般に使用されるベンゾトリアゾールは条件によりポリマーの劣化を引き起こします。 耐熱性とポリマーへの耐劣化性の両面を兼ね備える必要があります。 この工程は非水系の変色防止剤運用がほとんどですが、やむを得ず水系を使用する場合は水分の除去を充分行う必要があります。
〔製品群〕500-PX1
 ポット(真空)焼鈍時の変色防止剤
250℃を超えるような過酷な環境で変色を防止する添加剤は現在確認されておりません。 しかし真空にせず不活性ガスで置換する条件であれば 3.に準じ、可能性はあると考えます。
 屋内の雰囲気が酸性である場合の変色防止剤
フラックス使用環境下もしくは酸性物質の影響下にある場合、酸性において優れた変色防止剤を選択する必要があります。カチオン系の変色防止剤は酸性において金属との反応条件が優位であることから、最も適合した変色防止剤といえます。
〔製品群〕C-19・500-WA・500-WD・500-WXB
 高湿度環境下の変色防止剤
梅雨・秋雨の時期に変色を防止する場合はカチオン系あるいはアニオン系の変色防止剤が有効です。 特にカチオン系変色防止剤は、安定な疎水性皮膜を導体表面に形成し、有効な皮膜として存続します。
〔製品群〕500-W・500-WA・500-WD・500-WE・500-WXB・RPW-118
 伸線油剤が劣化した場合の変色防止添加剤(成分・イオン調整剤)  
伸線油剤を長期に亘り使用していると、成分の劣化が進行し、特に界面活性剤のうち、非イオン系の乳化剤が分解することにより、吸湿性の副生物を生じ、導体表面の水膜厚さに影響を及ぼすことがあります。 伸線油剤の成分中、界面活性剤の比率が多いタイプは、この過程をへずとも始めから注意が必要です。
また、システムから溶出する鉄分や混入による各種イオン成分の増加により変色環境はただでさえ悪化して行きます。このような場合、成分中に石鹸が含まれていると、石鹸が皮膜形成することにより、水膜からのブロックは保持されますが、石鹸分も過度に消耗し水膜あるいはイオンの双方から導体は変色ドライブを受けることになります。
このような場合、後工程で変色防止処理を行う前にすでに変色が生じることになります。変色防止剤は酸化膜の軽減には効果がなく、伸線油剤の中に変色防止剤を添加する必要があります。 伸線油剤は大体においてアニオン系で構成されていることから、カチオン系の変色防止剤の投入は禁忌となります。アニオン系もしくは非イオン系の変色防止剤を少量添加するか、石鹸を投入することで変色は軽減します。 そして、一ヶ月以内に伸線液の更新をお勧めします。
〔製品群〕101・KEM-1・900-UX・2600-UX・396 
 変色後のディスケーリング
 上記対策後の黒色酸化変色を除去する方法としては、例えば通電焼鈍機の冷却水中に還元剤を添加し再度通過させることにより、表面近傍の酸化被膜(黒色)を還元し、元の色調に戻すことが可能です。
〔製 品〕108
 変色線の再生と防錆を兼ねる導体変色除去剤
 導体の変色には、工程待ち・包装の不十分・表面のみ変色・アンコ変色等々、保存条件により思わぬ変色が発生します。 この場合の殆どは、廃棄処分されるのが実情です。 500-CRPに浸すことで、弱酸性で表面の変色を除去し、イオン化した導体に直ちに防錆成分が吸着し防錆処理が同時に行われることを特徴とする変色除去&防錆処理剤です。 
〔製 品〕500-CRP
  ■ その他の金属への防錆処理の利用 ■
銅および銅合金の伸管・伸棒・箔・スズメッキ線・装飾品等に対する製品にも、ご利用い頂けます。
銅以外(アルミニウム・すず・銀・鉄)の防錆剤は、こちら

腐食のメカニズムへのリンク

お問い合わせ

■ 上記の製品以外に水溶性化のご要望など御座いましたら、何なりと弊社まで連絡下さい。お待ち申し上げております。

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